みやぎ「赤旗」自然・山愛好会


   

 

            高山植物とは何か?

                    篠崎隆夫

                    「投稿」 2,023年8月20日(日)

                              

今回の二日目の尾瀨沼西岸からのコースは私には初めてのコースで、新鮮で有意義な山行だった。尾瀨ケ原には「ワタスゲ」も「ニッコウキスゲ」も見当たらず、あれ〜だったが、同行した方々から尾瀬の花のピークは7月と伺い自分の不明を悟った。山小屋の蛾の「オオアオミズ」に はびっくりした。蛾は汚らしい虫と決めつけていたが、透きとった美しさに感動した。二日目の大江湿原は、池塘は見当たらず明るい草原•高原の爽やかさで、尾瀨沼と燧ケ岳の同一アングルの眺望を楽しめた。特に燧ケ岳の山容が、尾瀨ケ原や尾瀨沼の西岸や南岸から眺めるそれとは全 く別物で面白かった。意外だったのは「マルバタケブキ」だ。湿原の中ほどに背丈の高い黄色い花が 目に入ると、どなたかの「マルバタケブキ」、「高山植物」•••との声が耳に届いた。え〜と思っ た。「マルバタケブキ」は早春に太白山や鉤取山の至る場所で群生する。低い場所では太白山の自然観察センター(標高100mで我が家の標高より50m位は低い)周辺でいくらでも目にできる。本当に高山植物なのか?帰宅後、高山植物の本数冊とネットで調べた。確かに高山植物としている本がある。

もしかしたら太白山や鉤取山のそれは「マルバタケブキ」ではないのでないかと考えた。10年程前 にセンター職員から教わったが間違いではないのか。今度再度職員に聞いた。前とは別の職員だが「マルバタケブキ」との答えだった。「マルバタケブキは高山植物ですか?」と聞いてみた。一寸戸惑いながら、高山植物の定義ははっきりしていない、などあれこれ教えてくれたが、明確な答えはなかった。

「ショウジョウバカマ」「シラネアオイ」「ギンリョウソウ」なども高山植物とされているが、 標高は高山植物とは無閨係なのか?確かに標高1000m以上の場所(大東岳山頂や県境尾根などのシラネアオイ)でみかけるが、標高100m (太白山の「ショウジョウバカマ」「ギンリョウソウ」、300m(秋保大滝付近の「シラネアオイ」)の場所でも見かける。一方で「カタクリ」 「アズマイチゲ」「キクザキイチゲ」も標高100Om程の場所で見られるが、これらを高山植物とする本にであったことはない。

何が違うのか?「カタクリ」や「イチゲ」は山だけでなく、山際の普通の道端でも見られるが、 「マルバタケブキ」「シラネアオイ」「ショウジョウウバカマ」「ギンリョウソウ」を道端で目にしたことはない。山だけでみられる花が高山植物なのだろうか?だとしたら「高山」という冠はあまりに不適格だ。一体高山植物とは何なのか?